迷子のシンデレラ

「ごめんごめん。
 君のママが悪いんだよ。
 純粋そうな顔して僕を弄ぶんだ」

「そんなことしてません!
 あの、私も抱っこ代わります」

「いいから寝てなよ。
 朝になったら覚悟しておくんだね」

 朝……。
 それは琉依が大人しく寝始める時間。

 冗談っぽく言う彼が冗談で言っていないのは身をもって知っている。

 気恥ずかしいのに、体が疼いてしまう智美は彼の言う純粋には当てはまらなくなってしまっていることに気づいて戸惑う。

「どうしたの?
 僕が忘れられなくて体が疼いて仕方ない?」

 いつの間にか近くに来ていた葉山が耳元で囁いて悪戯に耳を食んだ。

「やめ……。ダメです。
 琉依くんが……」

「大丈夫。寝てるよ」

 器用に琉依を抱いたまま、ベッドに座る智美へちょっかいをかける。
 燻っていた欲情は簡単に顔を出し、彼が与える刺激に反応する。

「まずいな……。
 僕が抑えられなくなりそうだよ」

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