迷子のシンデレラ

「それで。交換したってわけね」

 問いただすように恵麻から詰め寄られ、小さくなって「はい」と返事をした。

「忠告は無駄ってわけね」

「ごめん。無下にしたつもりじゃ……」

 肩を竦める恵麻はやれやれと口を開く。

「初めて恋した相手があの王子じゃ前途多難よ?」

「それは、いいの。
 成就させようとは思ってないし」

「それで?
 その可愛らしいシュシュは彼からのプレゼントってわけ?」

 後頭部に手を当ててハーフアップした髪に手を当てる。


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