迷子のシンデレラ

 けれど……。

 シャーロットへの想いとその反動が智美への行動を抑制させた。

 あの時は遊びだなんてどうして言ったのか。
 仮面舞踏会でのシャーロットとのことが悔やまれて仕方なかった。

 彼女のことは遊びでは済まされない想いが胸を焦がし続けている。

 だからせめて智美とは清く正しく順序を踏んで親しくなっていきたかったのだ。

 自分らしくないのは分かってる。
 けれどシャーロットを思わせる智美を失いたくなかった。

 そう思うのはシャーロットの面影を彼女に見ているせいなのか……。
 それとも……。

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