愛しい君を殺したのは誰?
一向に犯人は捕まらなかったが、それでも少しずつ、奏は元気を取り戻していった。

『隼人のおかげだよ』

って…

奏は、よく言ってくれたけど…

当たり前だよ。

そんなの。

まるで天使の羽をもがれたように苦しんでる奏を、僕は見てられなかった。

子どもの頃、近所の意地悪な女子たちにイジメられて泣いてた奏のことも、僕はせつなくて、見てられなかったんだ。

僕が駆けつけて、女子たちに文句言ったら…

奏は僕の後ろに回って、僕の洋服の袖をよく掴んでたよね。

そんな光景が…

なぜかフラッシュバックしてきた。





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