Open the door -運命の彼は日本代表?-
驚いて口をパクパクさせる私と、私と瑛人さんの表情を微笑みながら見ているハナエさん。
それから大きな右手で口を押え、私の表情を上から可笑しそうに眺めている瑛人さん。
「みなみちゃん、おはよう。うちのおばあちゃん、昨日ベッドから滑り落ちちゃったのよ。どうにか動けるけれど、今朝から腰が痛いんだって」
三人それぞれが見つめ合ったままで止まっていた空気を動かしたのは、ハナエさんと同居している息子さんの奥様——つまり瑛人さんのお母さんだった。
家の奥からパタパタとスリッパを響かせて玄関に出てきて、困ったように肩を落とす。
「……わっ、わかりました。看護師に伝えて、様子を見ておきますね」
助かったぁ。
そう思ったのは、なんとも言えない空気感に耐えれなかったからだ。