Open the door -運命の彼は日本代表?-
「そう……残念だわ。でも、今夜は家に泊まるんでしょ?」

「うん、そのつもり」

「それなら良かったわ……じゃあ、行ってきますね」

ハナエさんが瑛人さんに向かって、上品に手を振るのを確認して、私はサイドブレーキを解除する。

「それでは、行ってまいります」

いつも通りに私も会釈して、挨拶をする。

「行ってらっしゃい」

瑛人さんとそれから、普段通りに手を振ってくれる瑛人さんのお母さん。
2人が並んでて、出発を見送ってくれる。

あぁ、並んでみたらなんとなく似ている気がする。

目元や鼻から唇にかけてのラインなんてそっくりだ。

そういえば、ハナエさんの息子さんだって高身長で、顔立ちだって整っているもんね。
上司が昭和の名俳優の誰かに似てるって言ってたんだっけ。

どっきりでも、夢でもなく、どうやら本当に親子みたいだ。

動き出した車のバックミラーで2人を確認しながら、私はそんなことを思ったんだった。

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