Open the door -運命の彼は日本代表?-
「あのっ!!」
いけない、いけない。
つい、瑛人さんとのやり取りで、業務中だってこと忘れそうになってしまっていた。
「ん?」
不思議そうな顔した瑛人さんが、こちらに視線を移す。
うぅん、なんか瑛人さんに看護師からの伝言を伝えていいものかな……
家族に伝えなきゃいけないんだけど、瑛人さんの軽口を聞いてしまったら、なんだか一抹の不安すら覚える。
25歳って私と同じ年齢だから、伝えられないことはないことくらい分かっているんだけど……
「今日、ご両親は?」
「あぁ、2人とも仕事」
「菜那さんは?」
「いないけど」
あぁ、もう。息子さん夫婦も、菜那さんも居ないとなれば、もう瑛人さんに伝えるしかないじゃない。