Open the door -運命の彼は日本代表?-

「井村さん、みなみちゃんは今仕事が楽しくて仕方ないんですよ」

近くでマフィンと一緒に添える紅茶やコーヒーを淹れていたスタッフの黒木さんが軽い口調で助け舟を出してくれた。

さすが、ベテランの黒木さん!!助かった!!

「だけど、私たちもみなみちゃんの結婚が心配になった時には、1番に井村さんに相談させてくださいね」

「あぁ、その時は任せておけ」

助け船……というわけではなかったらしい。

だけど、黒木さんの言葉に井村さんは満足そうに瞳を輝かせた。

アットホームな職場の雰囲気と、一番年下ってこともあってみんな私を『みなみちゃん』と呼ぶ。

3年目になってからというもの、私に恋人がいないことも職員だけでなくって、利用者のほとんどが知っていることで、もはや最近はスタッフと利用者の話のネタにすらなっている。


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