Open the door -運命の彼は日本代表?-
相澤家のインターホンを鳴らす。
電子音が軽やかに聞こえて、ゆっくりと開いた扉。
扉の中から顔を出したのは、他の誰でもなく瑛人さんだった。
「えぇっ」
仕事中だってことも忘れて、がっかりと力の抜けた声が出てしまう。
「みなみ、そんなに俺に会いたかったのか?」
どうやら、私のげんなりした表情なんて完全スルーらしい。
意地悪そうに八重歯を覗かせた瑛人さんをじろりと睨んでみる。
すると、瑛人さんはわざとらしく肩を竦めた。
「そんなこと、あるわけないじゃないですか?!」
って、それより、なんで急に呼び捨てなのよ?!
やっぱりこいつ、『相澤瑛人』は軽すぎる……。