Open the door -運命の彼は日本代表?-
早く利用者に信頼してもらえる生活相談員になりたくって仕事にのめり込むようになって以来、誰よりも早く出勤して、利用者を迎える準備をしている。

夕方は利用者の方々を家に送ってから、書類作成やミーティングなどを済ませると、辺りはすっかり真っ暗だ。

移動範囲は、家と職場の往復のみ。
それから、通勤経路沿いにあるコンビニと深夜まで開いているスーパーくらい。

休みは不定期だから、友達となかなか一緒に遊ぶことも出来ない。それこそ最近、周囲の友達は婚活に精を出していたり、結婚やママになったばかりの人が増え、会うこと自体がめっきり減ってしまっている。

毎回お昼前にゆっくりと起きて、撮り溜めたドラマを見たり、気になっていた映画を一人で見に行ったりして過ごす。
遠出といったら、月に一回程度、1時間かけて帰る海沿いの実家しかない。


おひとりさま生活を満喫しているって言えばそれまでなんだけど……。


そんなわけで恋愛に繋がる出会いなんて、ほぼ皆無。

最近の素敵な出会いで思い出すのは、新しく利用が始まった利用者の方の笑顔だ。

まぁ、そのうち半分は男性。
しかも、その3分の1は未亡人男性、つまり独身ってわけだけど。


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