Open the door -運命の彼は日本代表?-

3


◇◇◇

「……冗談ですよね?」

傘を持つ瑛人さんの右隣を歩きながら、私は頭一つ分高い彼を睨むように見上げた。

いわゆる、あいあい傘。
その傘の中で、彼を見上げてしまったせいで、自分でも驚くほど瑛人さんとの距離が近くてびっくりする。

もうどうして、雨なんて降るのよ。

私はドキドキに気が付かない振りをして、心の奥でぼやく。

前々からなんとなく自分が雨女なのかな、なんて自覚は多少なりともあった。

だけど、あまりにもタイミングよく、雨が降るものだから、私は雨女なんだって確信した。

今さらこんなことに気が付く自分が恨めしいのだけれど。


< 63 / 105 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop