Open the door -運命の彼は日本代表?-

だけど……あんな射抜くような熱い視線で見つめられて、そして、キス。

『俺の本気で、みなみのこと手に入れるから』

瑛人の言葉に、心が揺るがなかったわけじゃない。

あのままずっと口説かれていたら?
もし仕事中じゃなかったら?

私、多分あのまま瑛人にほだされてた。
今頃、本気で瑛人に恋していたかもしれない。


だけど、冷静に現実を見ることが出来ているのは、きっと心の中になるモヤモヤのせいだ。
だって、こんなに『いつか終わりが来る』ことが分かっている恋愛なんて、生まれて初めて。

本気になったら、傷つくだけだ。

そんなこと頭では分かっているのに、瑛人の真っすぐな眼差しが頭から離れない。

胸が締め付けらるような苦しさに、私は気が付かない振りをした。

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