Open the door -運命の彼は日本代表?-
◇◇◇
昼休みを迎える直前の時間帯のこと。
「みなみちゃん、外線入ってるけど代わってもらっても大丈夫?」
「はい、すぐ行きます」
フロアで利用者の方々のお手伝いをしていた私に、事務スタッフから声をかけられた。
「ハナエさんのご家族。昨日の件でみなみちゃんに尋ねたいことがあるそうですよ。担当者会議の内容ですかね?」
近くにあった電話の子機を取ろうとした私に、事務スタッフが電話口の相手と要件を教えてくれる。
ドキッとした。
「ハナエさん家のお嫁さんでしょうか?」
「いえ、ハナエさんの息子さんかな?男性ですけど……」
不思議そうな顔する事務スタッフから子機を受け取り、タイミングよく誰も使用していなかった相談室に入った。