Open the door -運命の彼は日本代表?-
「付き合ってるのに、お互いの連絡先すら知らないなんておかしいだろ?」

連絡先を知らないから、職場に電話をかけたってことか……

もう、瑛人に出会ってからずっと振り回されてる気がする。

昨日から私のペースは乱されてばかりで、思わず私は口を尖らせる。

「そんなことで電話されたら困ります。私だって、仕事中なんです!!瑛人に比べたらゆるい職場環境なのかもしれないけど、私にとっては……」

「分かってるよ。みなみの仕事を軽く見てるつもりは全くない」

瑛人が私の言葉を遮る。

「軽く見てないって言うなら、どうして……」

「矛盾しているってことくらい分かってるんだ。だけど、みなみの声を聞きたかった、それだけだ」

真っすぐな芯のある瑛人の言葉が耳をくすぐる。

『声を聞きたい』なんてこと言われたのは初めてで、胸が飛び跳ねた。


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