Open the door -運命の彼は日本代表?-
私が連絡しなければ、きっとそのうち、諦めてくれるかもしれない。
諦めるっていうより、アプローチすることに飽きるんじゃないかな。
いや、飽きるもなにも、きっとそのうち素敵な女性が現れて、私のことなんてすっかり忘れてしまうんだろう。
そんな考えが脳裏に浮かんだら、心の奥がチクリと痛んだ気がする。
私の質問に、しばらく押し黙った瑛人だったけれど、ふいに小さく笑ったような息の漏れる音が受話器越しに聞こえてくる。
「また、この電話に連絡するよ。相談員の新堀さんに俺のばあちゃんの様子を聞きたいんだ」
「だから、私は遊んでるんじゃなくって、仕事しているんです!!」
あぁ、これじゃあ、さっきの話が堂々巡りになるばかり。