Open the door -運命の彼は日本代表?-
「買い被りしてるつもりはない。少なくともみなみは俺や俺の家族から信頼を得てる。それだけで十分だろ」
さっきまでのふざけた口調とは異なる真剣な言葉が私の胸を震わせる。
「なにより、俺が惚れた女がそんなことするわけない。そう信じたいんだ。じゃあ、そういうことで」
プツンという音の後に、規則的な機械音が、一方的に電話が切られたことを教えてくれた。
やっぱり瑛人には、敵いそうにもない。
こうやって私のペースを乱して、気持ちをかき乱す。
ドキドキさせて、そして振り回す。
「本当に、もう一体どうすればいいんだろう……」
私は誰もいない相談室で頭を抱えたのだった。