胎動
友達3人を殺してくださいと、その子が願ったんじゃないの?
そう言いたかったけれど、言えなかった。
成長した赤子が母親の願いを聞き届けたのだ。
だけど、その後母親である女の子が行方不明になっていることは気がかりだった。
「友達がいなくなる前に、何か言ってなかった?」
「なにかって言われても……」
そう言って少し考えたのち、なにかを思い出したように夕夏は顔を上げた。
「そう言えば、すごく喜んでた」
「喜ぶ?」
「うん。『これからはもっと楽しくなる』って」
「それ、いつ頃?」
「友達が3人亡くなった頃だよ。落ち込んでると思って連絡したんだけど、思ったより元気だったからよく覚えてる」
「そうなんだ……」
やっぱり、女の子の願いは3人の友達を殺すことだったのだろう。
そう言いたかったけれど、言えなかった。
成長した赤子が母親の願いを聞き届けたのだ。
だけど、その後母親である女の子が行方不明になっていることは気がかりだった。
「友達がいなくなる前に、何か言ってなかった?」
「なにかって言われても……」
そう言って少し考えたのち、なにかを思い出したように夕夏は顔を上げた。
「そう言えば、すごく喜んでた」
「喜ぶ?」
「うん。『これからはもっと楽しくなる』って」
「それ、いつ頃?」
「友達が3人亡くなった頃だよ。落ち込んでると思って連絡したんだけど、思ったより元気だったからよく覚えてる」
「そうなんだ……」
やっぱり、女の子の願いは3人の友達を殺すことだったのだろう。