胎動
あの子の姿は他の人間には見えない。


それなら、なにも遠慮することなんてないんだ。


そう思いつくと早かった。


あたしはすぐに保健室へと戻り、鞄を開いた。


ソレはまだグッスリと眠っている。


それを確認してホッと息を吐きだした。


この様子ならもうしばらくご飯はいらなさそうだ。


目が覚めた時に、トイレに連れて行ってあげよう。


そう思い、あたしはもう1度ベッドに横になったのだった。

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