胎動
☆☆☆

翌日は学校のある日だった。


いつも通り早起きをして朝食を作り、その時に鶏肉を冷蔵庫から拝借してソレに食べさせた。


血をすべて抜かれた肉は干物のようにシワシワで硬くなるから、もう食卓には出す事はできない。


次々なくなっていく食材だけど、2人は普段料理をしないから今のところ怪しまれる心配はなかった。


「行ってきます」


あたしはそう言い、ソレと一緒に外へ出た。


今日はとてもいい天気で太陽がまぶしいくらいだ。


鞄の中からソレが顔を覗かせて、行きかう人々を観察している。
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