胎動
頭部も細長く、映画のエイリアンを彷彿させる。


ソレは腹部から完全に姿を見せる前に顔を持ち上げた。


首の座っていない赤ん坊のようにぎこちなく、ユラユラと揺れながらこちらへ視線を向け……目が、あった。


「いやああああああああ!!」


自分の悲鳴が聞こえた瞬間、画面の写真は元に戻っていた。


「友里、どうした?」


透が驚いてそう聞いてくる。


あたしは夕夏からスマホを奪い取り、写真を見つめた。


さっきのように化け物が腹部から出て来るようなことはなかった。
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