胎動
ソレは特別な生き物だ。


姿を消すくらいお手の物だろう。


「出て来なさい。出てこないと、朝ご飯抜きだからね」


仁王立ちをしてそう言うが、どこからも返事はない。


ご飯を与えなくても、あの子はもう1人で狩りをすることができる。


だから出てこないのかもしれない。


「出てきて! 早く!」


声をかけるが、何かがいるような気配も感じられなかった。


次第に焦りは増して行き、ついにパジャマ姿のまま外へ出ていた。
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