胎動
☆☆☆
元々悪魔なんていなかった。
得体の知れない菌やウイルスに名前を付け、怖がった結果、産れたんだ。
「それなら、怖がらなければ消えるかもな」
学校までの道のり、透にそう言われてあたしは「え?」と、聞き返していた。
「恐怖心が作り上げた悪魔なら、俺たちだけでも平気な顔してようぜ」
透はそう言って笑った。
「そんなに単純なものなのかな……」
「ネット上でも拡散しよう。悪魔山の本当の由来をあちこちに書き込んで、悪魔なんていないって知ってもらうんだ」
膨大な量の恐怖を払拭すれば、すべて元通りになるんだろうか?
透の言っていることはわかるけれど、自信はなかった。
「そんな暗い顔すんなって。絶対に大丈夫だから」
元々悪魔なんていなかった。
得体の知れない菌やウイルスに名前を付け、怖がった結果、産れたんだ。
「それなら、怖がらなければ消えるかもな」
学校までの道のり、透にそう言われてあたしは「え?」と、聞き返していた。
「恐怖心が作り上げた悪魔なら、俺たちだけでも平気な顔してようぜ」
透はそう言って笑った。
「そんなに単純なものなのかな……」
「ネット上でも拡散しよう。悪魔山の本当の由来をあちこちに書き込んで、悪魔なんていないって知ってもらうんだ」
膨大な量の恐怖を払拭すれば、すべて元通りになるんだろうか?
透の言っていることはわかるけれど、自信はなかった。
「そんな暗い顔すんなって。絶対に大丈夫だから」