胎動
どうしてあたしがそうならなかったんだ。


あたしがなにをしたんだ。


ただこの世界に生まれてきただけで、どうしてこんな不公平な目に遭わないといけないんだ!


「あああああああああああああああああああ!!!!!」


自分の叫びが地響きとなって世界中に広がればいい。


世界中があたしと同じになればいい。


それでも……帰らなきゃ。


今から帰ればまだ1時間くらいの罵倒で済むかもしれない。


そんなことを考えている自分がいた。


嫌なのに。


帰りたくないのに。
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