胎動
「でも、また食べ過ぎるよ?」


そう言われると注意しなければと思う。


けれど、もうお弁当の中身はほとんど空になっていた。


「ねぇ、2人とも!」


ご飯を終えて雑談をしていると、慌てた様子で夕夏が教室へ戻って来た。


「どうしたの夕夏?」


あたしは夕夏が手に持っているスマホへ視線を向けてそう聞いた。


嫌でも昨日見た写真を思い出してしまう。


腹部から得体の知れない、黒い生き物が出てきていた。


あたしはその映像を脳内からかき消すため、左右に首を振った。


「昨日写真を見せた子と連絡が取れなくなった」


青ざめた顔でそう夕夏。

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