胎動
冗談ではなさそうだ。


「授業中じゃないの?」


梓がチョコレートをひとかけ口に入れながらそう言った。


写真に写っていた子は隣県の子だから、スマホが使える時間帯がわからない。


「たぶん休憩時間だとおもうんだけど……」


夕夏はそう言い、スマホの画面を見つめている。


何度もメッセージを送ったり電話をしたりしてたようだ。


それでも連絡がつかないらしい。


「妊娠がわかって大変なんじゃないかな?」


あたしは小声になってそう言った。


あの子は確かに妊娠している様子だった。

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