胎動
あたしはゴクリと唾を飲み込み、広間に背を向けて歩き出した。
誰かに見られているという感覚が、体中に絡み付く。
その正体を探らないといけないのに、恐怖に支配されてしまった。
物音1つ聞こえない山の中なんておかしい。
どこかに生き物がいるはずなのに、その姿もどこにもなかった。
まるでみんなが静かにあたしのことを見ているような、得体の知れない気持ち悪さが全身を覆い尽くして行く。
早足に下山し、フェンスの前で立ちどまる。
その頃にはもう太陽は傾きかけていた。
息を切らしながらどうにかフェンスを乗り越えて、ようやく息を吐きだした。
それでも寒気は止まらない。
あたしは投げ出していた鞄をひっつかむと、逃げるようにその場を後にしたのだった。
誰かに見られているという感覚が、体中に絡み付く。
その正体を探らないといけないのに、恐怖に支配されてしまった。
物音1つ聞こえない山の中なんておかしい。
どこかに生き物がいるはずなのに、その姿もどこにもなかった。
まるでみんなが静かにあたしのことを見ているような、得体の知れない気持ち悪さが全身を覆い尽くして行く。
早足に下山し、フェンスの前で立ちどまる。
その頃にはもう太陽は傾きかけていた。
息を切らしながらどうにかフェンスを乗り越えて、ようやく息を吐きだした。
それでも寒気は止まらない。
あたしは投げ出していた鞄をひっつかむと、逃げるようにその場を後にしたのだった。