胎動
☆☆☆

そのまま家に戻ると、叔母と叔父が仁王立ちをして玄関に立っていた。


疲れ果てていたあたしはぼんやりと2人の顔を見つめる。


まるで鬼のような形相であたしを睨み付けている2人。


「今日はどこへ行っていた」


そう聞いて来たのは叔父だった。


「あの……」


正直に話そうとしたのだが、疲労と恐怖で言葉が詰まってしまった。


とにかく座りたい。


そう思う。


「ちゃんと説明しなさい!」


叔母がキンキンと荒い声を吐き出すので、頭が痛くなった。
< 78 / 231 >

この作品をシェア

pagetop