殺戮合宿〜モンスター〜
合宿
都心の肌が焼けるような熱さから逃れた先は、山奥の合宿所だった。


映画部の1年生6人と、顧問の男性教員1人、計7人で大きすぎる建物を見上げる。


「普通の学校と同じくらいの大きさだね」


大きなキャリーバッグを転がしながら歩いて来た、小谷祐里(コタニ ユウリ)があたし、長田恵里菜(ナガタ エリナ)の隣で立ちどまり、そう言った。


「昔小学校だったみたいだよ」


あたしは祐里へ向けてそう返事をした。


見上げた建物は3回建てで、あたしたちの通う藤棚高校と同じくらいの広さを感じらせた。


校舎手前のグラウンドも広くて、生徒たちが遊んでいた様子が思い浮かんできた。


「こんな場所に小学校を建てるなんてどうかしてる」


そう言ったのは湯本亮輔(ユモト リョウスケ)。


確かに、ここへ来るまでに途中でバスを降り、底から更に1時間ほど山道を歩い
て来た。


「特別な学校だったんだよ、きっと」


あたしはそう呟いて校舎を見上げた。


灰色のコンクリート塀はアチコチがひび割れて、もう長い間使われていないことがわかった。

< 1 / 258 >

この作品をシェア

pagetop