殺戮合宿〜モンスター〜
孝利は俊和を落ち着かせるようにそう言った。


だけど、実際はどうなるかわからない。


下手をすれば2人は……ううん、あたしたちは全員が容疑者になることだろう。


そう思うとゾッとした。


「すぐに警察が来てくれる」


休憩室に入って来た浅野先生が、開口一番そう言った。


あたしはその言葉に胸の奥がズッシリと重たくなる。


「け、警察がくれば、あたしたちは安全だよね?」


祐里がどうにか前向きになろうとしてそう言った。


あたしは頷く。


ここから出て行くことで安全が確保されるなら、それは間違いない。


「なぁお前ら……先生は本当のことを教えてくれないか」


テレビの前に立ち、浅野先生がそう言った。


その顔は青ざめていて、悲痛に歪んでいる。


「本当のことって……?」


麻由子が聞き返した。


「湯本が死んだ理由を、知ってるんじゃないか?」


その言葉にあたしはまた化け物を姿を思い出した。


鋭利な牙で、亮輔に噛みついて血を吸い取ったのだ。
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