殺戮合宿〜モンスター〜
「それはさっき説明しました」


孝利が言う。


「化け物の話なんて信じられるわけがないだろう!」


浅野先生が大きな声を出したのはこれが初めてだった。


あたしは驚いて浅野先生を見つめる。


いつも優しかった浅野先生は、そこにはいなかった。


「だけど本当なんです!」


祐里が叫ぶ。


しかし、浅野先生にその気持ちは届かない。


「警察へ行っても化け物の話をするつもりか?」


その質問にあたしたちは黙り込んでしまった。


警察では通用しない。


それは、もうみんな理解していた。


けれど事実なのだ。


化け物は存在して、亮輔を殺した。
< 104 / 258 >

この作品をシェア

pagetop