殺戮合宿〜モンスター〜
今は午後5時過ぎだ。


ここへ上がって来るまでと、掃除に時間がかかり過ぎてしまったようだ。


こんなに沢山の作品があると知っていれば、もっと早足で登って来たのに。


そう思って奥歯を噛みしめた。


悔しさを感じるくらい、ここは宝庫なのだ。


「なんだろうこれ」


棚を流すように眺めていた亮輔が1本の作品を手に取ってそう言った。


見てみると、その作品にはタイトルが書かれていないことがわかった。


「先生、これも先輩の作品ですか?」


あたしがそう聞くと、浅野先生は眉間にシワを寄せて「タイトルは必ず書いてあるハズだけどだぁ」と、唸った。


これだけ沢山の作品があるから、ちゃんと把握できていなかったみたいだ。


「このタイトルがないやつ面白そうじゃん。これ見ようぜ」


亮輔がみんなへ向けてそう言う。


確かに気になる。


だけど、今日見れるの作品は1本だけなんだ。
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