殺戮合宿〜モンスター〜
しばらくすると1台のパトカーが小道の近くで停車した。


2人の警察官が車を降りる様子が見えて、あたしたち6人は駆け寄った。


「すみません! 通報した者です」


浅野先生がホッとしたようにそう声をかけたのだが……。


「合宿所なんてどこにあるんだ?」


「わかりません。目視で確認できる場所まで来ているはずなんですが……」


「もしかしたらイタズラだったのかもな」


「だとしたら業務妨害ですよ」


若い警察官と、年配の刑事と思われる人物があたしたちを見ずに会話をしている。


「すみません!!」


浅野先生がもう1度声をかける。


やはり2人はこちらを見ようともしなかった。


「本当に見えてないのか……?」


孝利がそう呟いて若い警察官に近づいた。


手が触れ合うほどの距離なのに、若い警察官は気が付いていない。
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