殺戮合宿〜モンスター〜
無人のパトカーが勝手に走り出したのを見て、警官2人は唖然とした表情を浮かべ、その後すぐに下山を開始した。


他の仲間に事情を説明して、応援を頼む様子だ。


しかし、異変はすぐに現れた。


小道から向かって左方向へと進んで行ったパトカーが5分後には右手から現れるのだ。


それを何度となく繰り返す。


「嘘だよね、こんなことあり得ないよね!?」


ずっと見ていた祐里がそう叫ぶ。


グルグルと同じ場所を回っているように見えるが、山道を右へ向かうと麓へ出るはずだ。


ここから麓までは車で10分以上かかる。


5分で行ったり来たりを繰り返せる距離ではなかった。


「先生止まって!」


何度目か、右方向から出て来たパトカーへ向けてあたしはそう言った。


パトカーはゆっくりとスピードを落とし、小道の前で停車した。


運転席には青ざめた浅野先生が乗っている。
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