殺戮合宿〜モンスター〜
やっぱり、実在する化け物を映画化したわけじゃなかったんだ……。


『でも、昔は都市伝説が流行ってたから、都市伝説にありそうな内容にしたんだよ』


「そうなんですか……」


都市伝説に寄せて作っただけなら、やはり化け物は実在しないことになる。


『で? もしかして映画の化け物が現れたとか言うのかい?』


その口調は人を見下しているように感じられて、あたしは返事をしなかった。


『もしそうだとしても、大丈夫だよ。作品の中のモンスターは攻撃されたら弱い。倒せばいいだけだ』


確かに、実際に出て来た化け物も映画の中のモンスターと同じように弱かった。


けれど、亮輔は逃げ切れずに殺されたんだ。


「わかりました、忙しい中すみませんでした」


あたしは義務的な口調でそう言い、電話を切ったのだった。
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