殺戮合宿〜モンスター〜
「そのままライトを当てていてくれ!」


浅野先生はそう言うと、大きく息を吸い込んで自分から化け物へ向けて駆け出した。


「おおおぉぉぉぉぉ!!」


雄たけびを上げながら包丁を握りしめ、化け物に突進していく先生。


その包丁の先が化け物の体に突き刺さるのを見た。


化け物は動きを止め、後方へと倒れ込んだ。


浅野先生は包丁の柄を掴み、体重をかけて化け物の体の奥深くへと突き刺した。


そして、一気に引き抜く。


包丁が引き抜かれた傷口からどす黒い血が流れ出し、やがて化け物は黒い煙となってその姿を消した。


浅野先生は包丁を持ったまま棒立ちになっていた。


今の光景が信じられないのだろう。


「浅野先生!」


あたしはすぐにかけより、その腕に触れた。
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