殺戮合宿〜モンスター〜
☆☆☆

本当は誰かと一緒にいる方が心強かった。


1人でいるときに化け物が出て来たら?


そう思うと体の芯が寒くなっていくようだった。


二段ベッドの上に上がり、持って来ていた映画の本を開く。


集中して読んでいればきっと気分が変わるはずだ。


そう、思っていたのに……。


ガチャッとドアが開く音がして、あたしは視線を向けた。


この部屋にノックもなしに入って来る相手なんて、決まっている。


祐里と麻由子の2人だ。


「体調が悪いんじゃなかったの?」


祐里がすぐにそう聞いてくる。


「ちょっとだけ」


あたしはそう答えて本を閉じた。
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