殺戮合宿〜モンスター〜
「みんなは1階で化け物が来ないか見張ってるのに、いい身分だよねぇ。もしかして、俊和が助けてくれると思ってる?」


祐里のトゲトゲしい言葉に、ため息が出た。


どうしてこんな風になってしまうんだろう。


「そんなこと思ってない!」


お姫様扱いされたいだなんて、あたしは思っていなかった。


みんなの力になりたい。


役に立ちたいとは思うけれど……。


「それなら証明して見せてよ」


麻由子の言葉にあたしは眉間にシワを寄せた。


「証明って?」


「元々恵里菜のお兄さんが作った映画が原因でこうなったんだよね?」


麻由子の言葉にあたしは目を見開いた。


「そんなことない! お兄ちゃんは関係ない!」


「だけど、あのDVDを見た全員が化け物を見てる」


「それはそうだけど……」


麻由子の言葉に、あたしは言い返せなくなってしまった。
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