殺戮合宿〜モンスター〜
「あたしも行くけど、恵里菜はどうする?」


2段ベッドの下から下りて、麻由子がそう聞いて来た。


もしかして麻由子も俊和狙い……?


そう思ったが、聞かないでおいた。


その代わり、「映画ってなに?」と、ドアの向こうの俊和へ訊ねる。


「先輩の作品だよ、無題のがあっただろ」


そう言われて亮輔が手に持っていたDVDを思い出した。


「先生にバレるかも」


俊和へ向けてそう言いながらも、自分の血がうずくのを感じた。


あの作品がなんなのか、確かに気になる。


「これは勉強のためだ。怒られることなんてない」


俊和がそう言った。


勉強だと言えばなんでも通るわけじゃない。


きっと、先生に見つかれば普通に怒られてしまうだろう。
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