殺戮合宿〜モンスター〜
苦しさでうめき声を上げると、頬に冷たい物が落ちて来た。


見ると孝利が唾液を滴らせながらあたしを見下ろしているのだ。


「ちょっと……なにする気!?」


叫んだつもりが、恐怖で声が掠れていた。


孝利の目はあたしを人間としては見ていない。


今の孝利にとって、あたしは獲物だった。


「お前、実は俺のこと好きだっただろ」


そう言った顔を近づけて来る。


生暖かなと息がかかり、吐き気が込み上げて来た。


「そんなことない……」


否定したが、嘘だった。

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