殺戮合宿〜モンスター〜
ブツブツと呟くようにそう言うお兄ちゃん。


『関係あるかどうかわからないけど、1つひっかかることがあって電話したんだ』


「ひっかかること?」


『あぁ。お前が言ってた映画があるだろ? 俺たちが作ったモンスター』


「あぁ、うん……」


その映画が引き金となって、今こんな状態になっているのだ。


『その映画を一緒に作ってた仲間が1人、高校卒業と同時に死んでいたんだ』


「え……?」


思いもよらぬ言葉にあたしはスマホを握りしめる手に力を込めた。


『そいつの死と今回のことが関係あるのかどかはわからない。だけど……そいつが見つかったとき、体の血が全部抜き取られていたんだ』


「なにそれ……」


あたしは自分の体が冷たくなっていくのを感じていた。
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