殺戮合宿〜モンスター〜
「あの池だよ! 撮影で使おうって言ってた池!」


麻由子がそう言い、荷物の中からこの山の地図を取り出した。


映画撮影で使おうと思っていた場所に赤い丸印がつけられている。


一瞬、孝利の顔を思い出した。


「本当だ……」


あたしは地図を確認してそう呟いた。


「どういうことだ? 映画部のOBがこんなところで死ぬなんて……」


俊和が眉間にシワを寄せてそう言った。


それだけじゃない。


この安藤という先輩は問題の映画を作成した人物なのだ。


無関係ということは絶対にないはずだった。


この池か、この池の付近になにかがある。


そう思った時だった。


浅野先生が電話を終えて休憩室に戻って来た。
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