殺戮合宿〜モンスター〜
確かな手ごたえを感じた。


ドンッと硬い物にバッドがぶつかる。


しかし、その後はとても柔らかな感触だった。


しっかりと煮込んだビーフみたいに、バッドが奥深くまで食い込んでいく。


人じゃない。


この時、あたしはハッキリとそれを認識した。


化け物はその場に崩れ落ち、動かなくなった。


だけど安堵する暇はない。


続けて2体の化け物が追いかけてきているのだ。


あたしはバッドを握りしめたまま方向転換し、走り出した。


俊和は祐里をお姫様抱っこして先に逃げている。


その光景を見て、なぜだか胸の奥がチクリと痛んだのだった。

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