殺戮合宿〜モンスター〜
「なにかわかったことがある?」


あたしはゴクリと唾を飲み込んでそう聞いた。


『いや、家にはもう誰も暮らしてなかった』


その言葉に一気に落胆してしまった。


安藤先輩の家族はもう引っ越していたようだ。


「そっか……」


『でも、中に入ることができたんだ』


「え?」


兄の言葉にあたしは目を見開いた。


「空家に入ったの?」


『空家っていうか、もう廃墟同然だったんだ。家の中には昔使ってた家具とかがそのまま残されてたし、ゴミだらけだった。窓の鍵も開けっ放しだったしな』


一体どんな状況だったんだろうか。


安藤先輩のご両親は、どうして家をそのままにして出て行ってしまったのだろう。


「家の中でなにか見つかった?」
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