殺戮合宿〜モンスター〜
「あたしも恋愛ものがいい!」


手を上げてそう発言したのは祐里だった。


視線をチラチラと俊和へ向けているのがわかった。


主演も自分たちでやらないといけないから、祐里は何か別のことを期待していそうだ。


「他に意見は?」


浅野先生の質問に手を上げる生徒は1人もいなかった。


他のみんなは特別撮りたい作品もないのだろう。


「じゃあ恋愛もので決まりでいいか?」


その質問には祐里が大きくうなづいた。


「シナリオの作成は……」


「はい」


先生の話の途中で手を上げたのは孝利だった。


昨日もペンとメモを持って映画を見ていたし、なにかいい作品が思いついているのかもしれない。
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