殺戮合宿〜モンスター〜
「さすがだな」


浅野先生は感心したようにそう言った。


ヤル気のある生徒を前にして、嬉しそうだ。


「昨日の段階である程度考えた内容があるんだけど」


孝利はみんなへ向けてそう言った。


「どんな?」


あたしはそう聞く。


孝利の考えた恋愛シナリオは今まであまり読んで来なかったから、余計に興味をそそられた。


「うん。ここは森の中だから、それを利用してみたらいいかなって思ったんだ」


孝利の考えた作品は、周囲から結婚を反対され心中覚悟でここに迷い込んで来た男女の話しだった。


ちょっと切ないけれど、森の中というシチュエーションが大きく役立ちそうだ。


「いいね。でも悲恋かぁ……」


そう言ったのは祐里だった。
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