殺戮合宿〜モンスター〜
できればハッピーエンドが良かったのだろうけど、残念ながら孝利の考えたシナシオは悲恋だった。


「王道の恋愛でも、ラストは変化球を加えたかったんだ。ダメかな?」


孝利はみんなへ向けてそう聞いた。


「ううん、全然ダメじゃないよ。王道の中にも孝利らしさを入れるのっていいと思う」


あたしはすぐにそう言った。


ホラーを作って来た孝利ならではの、恋愛作品だと思った。


「じゃあ、主演は恵里菜と孝利でいっか」


そう言ったのは亮輔だった。


あたしは目を見開いて亮輔を見る。


「なんであたしたちなの!?」


今は配役を決める時間じゃないはずだ。


「だってお前ら付き合ってんだろ?」


何でもない事のように言う亮輔にあたしは更に目を丸くした。


なに言ってんの!?
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