殺戮合宿〜モンスター〜
☆☆☆

ここへ来て3日目の朝が来ていた。


今日もいい天気で清々しい空気を胸いっぱいに吸い込んだ。


起きてから1度森の入り口まで歩いてみたけれど、動物や人間の足跡はどこにも残されていなかった。


やっぱりあたしの勘違いだったようだ。


慣れない場所で、初めての映画撮影。


それに加えて友達関係にヒビが入ってしまいそうな今、神経がトゲトゲしているのかもしれない。


「なにボーっとしてんだよ」


試写会室の窓から森の様子を眺めていたあたしに、亮輔がそう声をかけてきた。


「ううん、別に……」


「お前はヒロイン役なんだ。これからセリフも覚えなきゃいけないし、ちゃんと集中しろよ」


亮輔の言葉にあたしは戸惑ってしまった。
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