殺戮合宿〜モンスター〜
「はい。草木をかき分けるような音で、それが気にな合って――」


「そんなワケないじゃん」


あたしの言葉を遮ってそう言ったのは祐里だった。


「女子の部屋は3階だよ? 草木をかき分ける音なんてほとんど聞こえてこないと思う。現に、あたしは何も聞こえなかったよ。麻由子は?」


「あたしも聞いてないよ。恵里菜の勘違いじゃない?」


2人の言葉はいちいちトゲトゲしい。


「……勘違いなら、いいんだけど」


あたしが力なくそう言った時だった。


「俺も聞いた」


と、俊和が言ったのだ。


「えっ」


あたしは驚いて俊和を見つめる。


「夜中、何時頃かわからないけど、ガサガサっていう物音を聞いた」
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