殺戮合宿〜モンスター〜
☆☆☆

1人で台本を覚えていると、あっという間に昼が来ていた。


あたしは台本から視線を外し、両手を天井へ向けて大きく伸びをした。


凝り固まった背中がグンッと伸びて気持ちいい。


登場人物が2人しかいないから、自然とセリフは多くなる。


けれど、孝利の作ってくれた台本には無駄がないように感じられた。


「頑張らないと」


そう呟いて食堂へと向かった。


食堂の奥では男子3人が苦戦しながら、食材を準備している最中だった。


「祐里と麻由子は?」


そう声をかけると、「さぁ?」と、孝利が首を傾げた。


食事の準備は全員でやることになっているのに、どこへ行ったんだろう。


そう思いながらも食器の準備を始めた。


自分のせいで2人がどこかへ行ってしまったのかもしれないという思いもあったが、男子たちだけに任せておくのも危なかったしかった。

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