殺戮合宿〜モンスター〜
それは全員の耳に届いたようで、一瞬にして空気が凍り付いた。


誰もなにも言わなかった。


みんな外の物音に耳を傾けているのがわかる。


立て続けに唸り声が聞こえてきて、あたしはビクリと身を震わせた。


「なんだよ今の声……」


そう呟いたのは俊和だった。


今まで聞いたことのない唸り声だった。


動物よりも、もっと人間っぽさのある声。


途端に足元から寒気が駆け上がって来た。


小屋の中になにがいるのか、考えただけで恐ろしい。


身震いをしたその時、小屋の端にいた麻由子が電気を付けた。


数回点滅をして、オレンジ色の裸電球が周囲を照らし出す。


「電気ついたのか」


亮輔がホッとしたようにそう言った。
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